反射式磁気コンパスの小部屋

磁気コンパス
 磁気コンパスはジャイロ・コンパスを装備した船でも必ず装備が義務づけられています。
ジャイロ・コンパスが故障した場合には、この磁気コンパスで針路を保持する事となります。

 磁気コンパスは船橋 (Bridge 又は Wheel house)の上に装備され、これには「自差」修正装
置が取付けられています。船は鉄や鋼材で作られており、また近くには、各種計器類や、その
電気配線など、磁気に影響するものが数多くあり、磁気コンパス付近の磁力線の方向は歪めら
れておりますので、コンパスの「 北 」は正しく磁北を指しません。この「 コンパスの北」と
「磁北」の方向の差を「自差 ( Deviation ) と言います。

 コンパスの中央に黒く丸いものが取付けられていますが、これは磁力線を検知する「センサ
ー」です。このセンサーで検知した「磁力線信号」を操舵スタンドに送りジャイロコンパスと
磁気コンパスの入力切換えにより磁気コンパスによる自動操舵ができるようになっています。
 また、ジャイロ・コンパスの故障などにより磁気コンパスとの示度に設定以上の差を生じた
場合には警報が鳴るようにもなっています。

 コンパスのキャップには照明装置が付いており、キャップを被せる事により、操舵スタンド
の位置で磁気コンパスの針路を見る事ができます。

 上の写真のものは磁気コンパスの付属品で「方位鏡(Azimuth Mirror)」です。方位鏡には
プリズムや遮光ガラスが付いており、プリズムの操作により高度のある太陽の方位や陸標の
方位を正確に測定するためのものです。

 上の写真のものは「方位環(Azimuth circle)」です。方位環の使用法はシャドー・ピンと
同様ですが、水平を保持するための水準器が付いており、精度の良い方位測定が可能です。

 上の写真のものも「方位環 (Azimuth circle) 」と言います。方位測定の場合は遮光ガラ
スの付いた細隙(Slit)より他端の反射鏡の付いた張線を通して物標を見て、同時に反射鏡に
映るカードの目盛を読取ります。 また、これらと直行するプリズムと反射鏡は太陽の方位
測定に使用し、太陽の反射鏡光線をプリズムを通してカード上に映し目盛を読取ります。

 上の写真のものは「拡大鏡(Compass Magnifier)」です。拡大鏡はコンパス・カードの度
数目盛を拡大して見るためのもので、操舵用コンパスに設置して使用します。