左のイメージ画は、「デリック・ブーム (Derrick boom) で積荷役中のものです。 クレーンが普及す
る以前は、画のような1本デリックか、または、2本デリックで積み揚げ荷役を行っていました。
右側は「タンカーの横断面図」と「一般バラ積貨物船の横断面図」です。 タンカーの油流出事故を防
止するため、国際海事機関 ( IMO ) の条約により、 1996年 7月以降新しく建造される 5000重量トン
以上のタンカーは貨物油タンクが二重殻 (ダブル・ハル)構造方式である事が義務付けられています。
従って、 タンクの外側は吃水調整のため海水を積込むための「バラスト・タンク」になっています。
一般の貨物船は、二重船底構造で二重底部分は「バラスト・タンク」で、一部「燃料タンク」に使わ
れている箇所もあります。撒(バラ)積貨物船は、穀類(小麦や大豆、トウモロコシ)などをバラ積み
する事もあります。これらの穀類は、船体がある角度まで傾斜すると「荷崩れ」を起こす危険があり、
「穀類その他の特殊貨物船舶運送規則」により、荷崩れによる転覆事故を防止する為の積付規則が決め
られています。甲板下の三角形の「ショルダー・タンク」は、穀類を積載した場合に、艙内に満載され
空積を作らないように傾斜を付け、その部分を「バラスト・タンク」にしています。 |