レーダーの小部屋

航海用レーダー

レーダー
 上の写真の様に、この船には2台の航海用レーダーが装備されています。
規定によれば、総トン数1万トン以上の船舶は同時に使用できる航海用レーダーを2台装備
しなければならない事になっています。

レーダー画面
 現在、このレーダーの表示は上を北として表示していますが、この表示方法を「真方位表
示」と言い、切換えによって「相対方位表示」や「真運動表示」にする事ができます。
 「真方位表示」は針路を変えても船首輝線の方向が変化するだけで、島や海岸線の映像は
変わりません。海図を見ている感じですので、海図との照合が容易です。
 「相対方位表示」は上を船首方向とした表示方法で、船首に向かって、他船や、島、海岸
線などが相対的に表示されますので、他船を避航する場合や、狭水道を通過する場合などに
適した表示方法です。しかし、これは針路を変える度に映像が回転する事になります。
 「真運動表示」は、自船の位置は、レーダー画面上では中心ですが「真運動表示」に切換
えると、中心(自船位置)が針路の方向に速力の速さで移動して行く表示方法です。従って
島や海岸線、移動していない他船など、移動しないものは画面上では静止映像となり、移動
しているものは、その映像から移動方向と速さを「ベクトル線」で識別した映像として表示
されます。この「真運動表示」では時間の経過につれて自船位置が画面の外に出てしまいま
すので、時々、リセットして自船位置を画面中心に戻す必要があります。

真運動表示

衝突監視装置
 大型船のレーダーには他船との「衝突監視装置( ARPA ) 」が組込まれており、他船が設
定距離まで接近して来ると、赤いベクトル線が表示され、衝突の危険が解除されるまで、警
報が鳴り続けます。画面右横に接近船舶の情報が表示されています。
詳しくは「電波航法」のレーダー( Rader ) のページを見て下さい。

小型船用レーダー
 上の写真は小型船用のレーダーです。この船にはジャイロ・コンパスが装備されておりま
せんので、真方位表示には出来ず、船首方向が上とした「相対方位表示」になっています。
しかし、ジャイロ・コンパスの方位情報やGPSの位置情報も入力できる様に成っています。